ズートピアと広報
「ズートピア」を初めてテレビで観ました。とても面白かったんですが、中でも一番印象に残ったのが、ジュディが記者会見でしゃべるシーンでした。
まともな組織であれば、ああいう場で話すのは責任者か広報担当者です。しかも警察のような組織であれば手柄を立てた職員の名前を出すことはなく、ましてや本人に多くのマイクが集まった前で、メモすらない状態で話させることなんて、考えられないはずです。
そんなことをしたら、何が起こるかわかったものでは…と思ったらとんでもないことになってしまいました。 断片的な事実や仮説にすぎないものを、何の策もなく「時の人」の口から語らせてしまうことがどれだけヤバいことか。
それなのに何故「よかった」と言ったんだアイツは? と思っていたら、アイツがああだったんですね。なるほどねえ。
ズートピアでジュディがしゃべったのはストーリー上の必然性からの演出でしょうが、それがいかにリスクの大きいことかと、あらためて肝が冷える思いでした。
その後、問い詰めるニックに対し、ジュディはうまいこと言い逃れられず、記者に向けた発言と一貫性のある物言いをしてしまい、決別の決定打としてしまう。あの場面のジュディは正直で正義感の強いキャラクターだからこそああなっちゃうんだろうなあと…。
公的な場での発言は広報を通すのが大事ですね。そして、個人的な発言のつもりでうっかり仕事と重なることに言及したら拡散されちゃった、というのも危険ですね。